
介護の仕事に携わっていると、日々の業務の中で「これ、あるあるだよね!」と共感したくなる出来事に数多く遭遇します。体力的にも精神的にも負荷のかかる仕事ですが、そんな日常の中にもクスッと笑える瞬間や、心が温かくなる場面がたくさんあります。
ここでは、介護職として働いている人なら誰もが一度は経験したことがある「あるある」を10個ご紹介します。
① 服の上からでも感じる“おしっこセンサー”
パッド交換の際、利用者様が「濡れてないよ」と言っても、何年も介護をしていると「これは絶対濡れてるな…」と直感でわかるようになります。しかも外見やニオイではなく、服の張り具合や姿勢から判断できるようになるのが不思議。まさにベテランの“第六感”です。
② 利用者様の「昔話」ループ
認知症のある利用者様の中には、同じエピソードを何度も繰り返す方がいらっしゃいます。中には1時間で10回以上同じ話を聞くことも。でも、不思議とこちらも相づちのバリエーションが豊かになっていき、「初めて聞いた」ようにリアクションする技術が身につきます。
③ 休憩中に限ってナースコール連打
やっとの思いで入れた10分休憩。コーヒーを一口飲んだその瞬間、「ピンポーン」と鳴り響くナースコール。しかもなぜか1人だけでなく、連鎖的に複数の利用者様が呼び始めるのはあるある中のあるある。心の中で「もう少しだけ…」と叫びながら立ち上がります。
④ 利用者様の“命名センス”がすごい
毎日接していても、なかなか名前を覚えてもらえないことがあります。でも、その代わりに「メガネさん」「お兄ちゃん」「若い子」など、独自のあだ名をつけて呼んでくれるのが面白いところ。ときには「看護婦さん」と呼ばれ、「違いますよ〜」と笑って返すのも日常茶飯事。
⑤ 食事介助中に自分もお腹が鳴る
昼食の時間、目の前で美味しそうにご飯を食べる利用者様。匂いや咀嚼音に釣られて、こちらのお腹がグーっと鳴ってしまうことも。利用者様に「お腹空いたんじゃないの?」と笑われることもあります。介護士にとって“食事の匂い攻撃”は地味に辛い瞬間。
⑥ スタッフ間の連携で“以心伝心”
長年一緒に働いているスタッフ同士だと、目配せやちょっとした動きだけで意思疎通が取れることも。「あ、今手伝ってほしいな」と思った瞬間にさっと寄ってくれるあの感じ、まるでテレパシーのような連携プレーが気持ちいい。
⑦「帰る!」と言い出す夕方の魔の時間帯
日中は落ち着いていた利用者様が、夕方になると突然「帰らなきゃ」と言い出す“夕暮れ症候群”もよくあること。「そろそろバスが来る」「子どもが待ってる」と話され、こちらも心が揺れます。否定せず、話を受け止めながら「じゃあ少し休んでからにしましょう」と対応する日々です。
⑧ 「今日のお風呂、何人目?」と数えるゲーム感覚
特養や老健など、入浴介助が多い日はとにかく汗だく。「今日で7人目!」「あと3人!」と、まるでミッションをクリアするように数えて乗り切ります。終わったときの達成感は、どんなご褒美よりも嬉しい瞬間です。
⑨ 体調の変化に敏感になる
ちょっとした顔色の違いや声のトーンの変化で、「今日は少し調子が悪そうだな」と気づくようになります。特に長く接している利用者様ほど、わずかな変化に対して“何か違う”と直感で感じるようになるのも介護職ならではの感覚です。
⑩ ふとした一言で心が救われる
「ありがとう」「あなたがいてくれてよかった」と言われた瞬間、心がじんわりと温かくなります。どんなに忙しくても、報われるような気持ちになれる魔法の言葉。時には涙が出るほど感動して、「この仕事をしていてよかった」と心から思えるのです。
最後に
介護の仕事は大変なことも多いですが、同じだけ感動や笑いもあります。日々のあるあるを共有することで、仲間との連帯感も生まれます。「私だけじゃなかったんだ」と思えることが、また明日への力になるのではないでしょうか。