イモリウムづくり完全ガイド
―― もけログとマダラちゃんの小さな自然づくり ――

はじめに
こんにちは、もけログです。
今回ご紹介するのは、私とマダラちゃんが一緒に作った「イモリウム」。
ただの水槽じゃなく、“自然の一部を切り取ったような小さな森”を水槽の中に再現します。
イモリや両生類を飼うとき、快適な住環境はとても大切。水質や湿度はもちろん、見た目と機能の両立が長く楽しむ秘訣です。
見た目が美しくても、水はけが悪いと苔は腐り、植物は弱ってしまいます。逆に、機能だけを優先すると、どうしても味気ない景色になりがちです。
今回のガイドでは、造形の工夫と植物の選び方、管理のしやすさまで含めた完全版としてお届けします。
作業の合間に、イモリ代表(?)マダラちゃんとのやり取りも挟みつつ、実際の空気感もお届けします。

今回は私のおうちを作るんだから、しっかりやってもらうわよ



もちろん!長く快適に暮らせるように全部仕込んでおくからね


ステップ1:流木の配置 ― 骨組み作りから始めよう
作業は、いきなりソイルを敷くところからではありません。
まずは流木を置くところからスタートです。
流木は景観の骨格であり、同時にイモリの生活動線そのもの。
手に取ると少し湿った木の匂いがふわっと広がり、水槽内に置いた瞬間、そこに影と奥行きが生まれます。
- 奥は高く、背景感を出す
- 手前は低めにして開放感を出す
- 水辺と陸地を自然に区切る配置



この角度で置くと、奥がぐっと引き締まるよ



じゃあこのくぼみは私の昼寝ポイントね
流木を置くたびに水槽内の空気感が変わっていく。まだ苔も植物もないのに、不思議と「森の入口」が見えてくる瞬間です。


ステップ2:フローラルフォームでかさ増し&機能性アップ
次に登場するのがフローラルフォーム(オアシス)。手にすると軽くて、爪で押すとふわりと沈むあの質感です。
これを奥の段差や高さを作りたい部分に配置。造形くんを大量に使わず、機能性も確保します。
メリットは大きく2つ。
- 造形くんの節約:高さや奥行きの土台として使えば必要量を減らせます。
- 水分保持と根の定着:造形くんだけだとカチカチに固まりやすいですが、フローラルフォームは常にしっとり。植物の根も入りやすい。



ケチってるんじゃなくて、賢い選択ってことね



そうそう。合理的で、植物にも優しい方法なんだ
奥を高く、手前を低く、斜めに配置すると遠近感がさらにアップ。水槽越しに覗いたとき、まるで奥に道が続いているように見えます。




ニッパン フローラルフォーム 生花用スポンジ(2セット)
生花の水分保持とアレンジ固定に便利なフローラルフォーム。
カットも簡単で、花瓶・器・アレンジメントベースに合わせて自在に加工可能です。
ステップ3:造形くんを練る ― 手触りで見極める水加減
造形くんをバケツに入れ、水を少しずつ加えながら練ります。
粉が水を吸って、手の中でしっとりとまとまっていく感覚が気持ちいい。
- 水が多すぎると固まらない
- 水が少なすぎるとボロボロ崩れる
最初は固めに練り、必要なら水を足す方が安全。
練っていると手首にずっしりとした重みを感じ、「これだ」という瞬間がきます。



泥遊び気分でやると楽しいよ



じゃあ私は泥パックでもして待ってようかな
ステップ4:塗り付けは下から上へ、平地は塗らない
造形くんの塗り付けは下から上へ。
重力に逆らって上から塗ると剥がれやすく、作業も大変になります。
- 壁際だけしっかり塗ってフローラルフォームをコーティング
- 手前の平地は塗らない(ソイルを敷くため/水はけを悪くしない)



この“塗らない場所”が後々の植物の健康を守るんだよ



見えない工夫って大事なんだね
塗り進めるたびに、背景が少しずつ“森の壁”へと変わっていくのが楽しい瞬間です。


ステップ5:ソイルを敷く ― 前低後高の傾斜
造形くんが乾いたら、床のハイドロボールの上にソイルを敷きます。
目安は排水パイプの高さ。
奥を高く、手前を低くするゆるい傾斜をつければ、見た目の奥行きと排水性が両立します。



こうすると水たまりにならないんだ



そう、水はけが悪いとすぐに苔や植物が傷むからね
ステップ6:植物を植える ― 陰性&高湿向きで安定
ここからが一番ワクワクする時間です。
今回選んだのは湿度に強く、苔との相性がいい植物たち。
- アヌビアス・ナナ・プチ
- プテリス・ロウェリー
- ドッシニア・マルモラータ
- ブセファンドラ・ティアグリーン
- フィカス・プミラ・ミニマ
配置を考えるときは高さや色のバランスも意識。
特にプミラは時間とともに壁を覆い、背景を自然な緑で満たしてくれます。



プミラが壁いっぱいになったら森そのものだね!



そう、時間が作る景色って飽きないよ


ステップ7:苔とエサ場で仕上げ
苔は湿りやすい場所や陰になる場所に配置。
ホソバオキバゴケは湿度維持にも景観にも効果大です。
そして、中央に丸くて平らな石を設置。
これは餌やり専用スペースで、ソイルや苔を汚さず、掃除も楽になります。



ここがごはんステージだよ



ここなら堂々と食べられる!


ステップ8:お手入れと成長を楽しむ
- 毎日霧吹きで湿度を保つ
- 植物や苔の成長に合わせてトリミング
- 排水パイプから部分換水で水質維持
- プミラが壁を覆い始めたら成功サイン



完成っていうより、ここから始まる感じね



そう、この景色は時間と一緒に育つんだよ


まとめ
- 流木で骨格作り
- フローラルフォームで立体感と機能性
- 造形くんは水加減命
- 平地は塗らず水はけ重視
- 陰性&高湿植物で長期安定
- 苔とエサ場で美観と管理性を両立



今日からここは私の森!



じゃあ森の管理人として、よろしく頼むよ