【実体験レポ】マダライモリ幼生の育て方|ブラインシュリンプ給餌から上陸後の管理まで
ヤフオクで入手したマダライモリの卵が無事に孵化し、いよいよ本格的な育成がスタートしました。今回は、筆者自身が実際に経験した「孵化後から上陸までの飼育管理方法」を、時系列で詳しくまとめていきます。
「幼生にどれくらいブラインを与えたらいいの?」「酸欠や水換えはどうしてる?」「上陸のタイミングってどう見極める?」そんな疑問を持つ方に、少しでも参考になれば幸いです。
幼生に大量のブラインシュリンプ投入!
孵化後しばらくはヨークサックで生きていたマダライモリの幼生も、やがて餌が必要になります。最初に用意する餌はもちろん、生きたブラインシュリンプ。
サテライトLという限られた空間内にブラインを一気に投入するため、見た目にはもう「ブラインだらけ」の状態。でもこれが幼生にとっては最高の給餌環境になります。
泳ぎのまだ不安定な幼生でも、動かず口を開けているだけで餌が自然に吸い込まれていく…。そんな贅沢な状態が作れるのは、狭くて密度を高くできるサテライトならではです。

さぁブラインシュリンプの時間だよー!たっぷり食べなね。



うわぁ…ブラインまみれ!泳がなくてもお口に入ってくる〜!
お腹がオレンジ色に!透明な体にたまるブライン
給餌後しばらく観察していると、幼生のお腹が次第にふくらみ、ブラインシュリンプのオレンジ色が透けて見えてきます。透明なボディならではの観察の楽しみですね。
「明らかにパンパンじゃん…!」と驚くくらいに満腹になります。


酸欠や水の汚れは?実はサテライトで解決済み
これだけの量のブラインを入れると、普通なら酸欠や水の汚れが気になります。しかし、筆者が使っているのはサテライトL(外掛け式の繁殖容器)。この中には、母水槽から酸素を含んだ新鮮な水が少しずつ供給されてくる仕組みになっているので、酸欠の心配はほとんどありません。
「サテライトって少しずつ水が入るから本当に優秀だな」と実感します。



でもこんな狭い所にブラインがいっぱいで、水汚れたりしないの?



大丈夫。サテライトってね、少しずつ親水槽から新鮮な水が入ってきてくれるの。地味にすごいやつなんだよ。
放置→回収→掃除のサイクル
ブライン投入後は6時間放置が基本。6時間もすれば、幼生はお腹いっぱい。ブラインも弱り、沈みはじめます。
このタイミングでスポイトを使って底にたまったブラインを回収。水はそのままにして、底掃除だけを行います。


ヒーター不要。常温でOK
「水温ってどうしてる?」という質問も多いですが、筆者は加温一切なしです。真冬で凍るような温度でなければ、室内温度で十分。
逆に温度が高すぎると成長スピードが早まり、小さなまま上陸してしまうことがあります。すると上陸後の餌付けが難しくなるので、成長はゆっくりの方が安心です。



ヒーターいらないの?ワタシ寒がりかと思ってた…



寒すぎなければ平気だよ。むしろ暑すぎると成長しすぎちゃって大変なの。
水換えは2日に1回。簡単で安全な方法
水換えは2日に1度くらい。メイン水槽の水を半分以上〜全換水しても問題ありません。
ここでポイントなのは、「サテライト内の水はそのまま」にすること。メイン水槽の水を替えれば、そこから新しい水がサテライトへ自然に送り込まれるので、水合わせ不要。しかもサテライト内の水も自動的に入れ替わっていくんです。
網で掬う必要も、個体を移動させる必要もなし。ストレスゼロ、事故ゼロの水換え管理が可能です。サテライト、神か…。



じゃあワタシ、水ごと動かされないってこと?



そうそう!動かさないから体の負担もないし、環境も急変しないよ。
成長に伴って手足が生えてくる
飼育を続けていると、やがて前足→後足の順に生えてきます。その頃になると、幼生の体格も徐々にしっかりしてきて、「あ、イモリっぽくなってきたな」と実感できるようになります。
要注意!共食い・誤食を防ぐには
ここで1つ注意点があります。複数飼育している場合、手足が生え始めたころから共食いが発生しやすくなるのです。
接近した個体の手足や尻尾を餌と勘違いしてかじってしまうことがあります。欠損のリスクを避けるために、このタイミングでサテライトの仕切り板を使って個体ごとに隔離しましょう。
- サテライトLでは最大3部屋まで分けられます。
- 1部屋に2匹入れるなら、アナカリスなどを入れて物理的な距離を作るのがおすすめ。
- ※ウィローモスは絡まり事故のリスクがあるのでNG。



えっ!?そんな…ワタシ、他の子かじったりしないよ!



マダラちゃんは大丈夫でも、他の子が間違えて噛んじゃうかもだからね。念のため、ね。
上陸の兆候と準備
やがて、幼生の体は緑が強くなり、マダライモリらしい姿に変化していきます。エラも徐々に短くなり、最終的にはエラが半分ほどの長さになったら上陸準備完了のサインです。



ねぇねぇ、なんだか最近、陸に行きたくなってきたかも…!



それは立派な上陸の兆候だね。そろそろ準備しなきゃ!
上陸後の環境づくり
上陸のタイミングで、幼生をプラケースに移動させます。
- 水は体高の2倍ほどでOK
- 陸地は大きな石など、水面から顔を出すもの
- 餌は与えなくてOK(食べないので)
さらに脱走防止のため、必ず蓋をしてください。上陸した幼体は壁を登ってきます!
上陸後の管理とレイアウトのコツ
プラケースにはソイル+水苔で湿地帯を再現します。
- 水苔は底一面に敷かず、角にまとめて配置
- 乾燥エリアと湿ったエリアを両方用意する
- 霧吹きは水苔部分だけにかける
マダライモリは自分で居心地の良い湿度の場所を選びます。全部を濡らしてしまうと逆にダメです。



マダラちゃん: ここ…乾いてて落ち着くかも…。でもあっちはしっとりしてる…うーん…



好きな方を選んでいいんだよ。自分で快適な場所を見つけるのが大事だからね!
最後に:また育てたくなる魅力が詰まっている
この記録は、筆者が以前に経験した内容をもとにまとめたものです。リアルタイムで記録できればよかったのですが、あくまで過去の育成記録として参考にしていただけたら幸いです。
とはいえ、また卵を入手したら、今度はもっと細かく記録を残して、飼育ブログのアーカイブとして充実させていきたいと思います。
マダライモリ、本当に魅力的な生き物です。最初は「こんな小さな命、育てられるかな」と不安になりますが、一歩ずつ成長する姿を見ていると、「また育てたい」と思わせてくれる存在です。



ワタシのこと、大切に育ててくれてありがとう…!



こちらこそ。これからもたくさんの命と向き合っていきたいな。
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