
イモリや両生類の飼育において、水質や湿度の管理はとても重要です。特に水陸両用のレイアウトを組む「イモリウム」では、土台の作り方次第で後々のメンテナンスや生体の健康に大きく影響します。
今回は、グラステラリウム6045を使って、排水機構付きの本格的な土台部分を作る手順をご紹介します。

今日は“土台だけ”をしっかり作るよ。ここが決まれば、上はあとでいくらでも遊べるから!



ふむふむ、住み心地は床づくりからってことだね。ぬかりなくお願い!
1. 土台作りの前に準備するもの
まずは使用する材料と道具を揃えます。
使用材料
- グラステラリウム6045(ケージ本体)
- 塩ビパイプ(排水用)
※今回は底面から水を抜けるように加工します。 - 鉢底ネット(ソイルやゴミの侵入防止用)
- シリコーンシーラント(防腐剤無添加)
- 鉢底石(軽石)
- ハイドロボール
- ソイル(植物育成用)
使用道具
- ドリル(塩ビパイプに穴を開ける)
- ハサミまたはカッター(ネット加工用)
- 定規・マーカー(位置決め用)
- ゴム手袋(シーラント使用時の保護)
- バケツ(材料の仮置きや洗浄用)



シリコーンは“防腐剤なし”が合言葉だね?



そうそう。生体に触れる可能性があるものは、安全第一で選ぼう!
2. 排水用パイプの加工と設置
まずは水抜きのための排水パイプを作ります。グラステラリウムのような密閉性の高いケージでは、土台部分に水が溜まるとカビや腐敗の原因になるため、排水口は必須です。
2-1. 塩ビパイプに穴を開ける
ドリルを使い、パイプの下半分に複数の穴を開けます。これは塩ビパイプ内部に水が入るようにするための加工です。穴の大きさはソイルや軽石が入り込まない程度(直径3〜5mm程度)がおすすめ。


2-2. 鉢底ネットの接着
塩ビパイプの上部に鉢底ネットをシリコーンシーラントで接着します。このネットはソイルやゴミの流入を防ぎ、排水の詰まりを防止する役割があります。
接着には必ず防腐剤を含まないシリコーンシーラントを使用してください(生体に有害な成分を避けるため)。
2-3. ケージ内への固定
パイプを水槽の手前側に設置します。掃除や水抜き作業をしやすくするため、奥より手前の方が便利です。
ソイルの重みで動かないように、パイプ底面をシリコーンで固定しておくと安心です。





排水パイプは手前に。メンテのたびに奥へ手を突っ込むのは地味に大変だからね。



未来の自分を助ける配置ってわけだ。ナイス気配り!
3. 鉢底石(軽石)を敷く
土台作りの第一層は「鉢底石」です。これは通気性と排水性を高め、ソイル部分に過剰な水分が溜まらないようにする役割があります。
また、全体をソイルだけで埋めるとコストがかかりますが、軽石を使うことで経済的にボリュームを出せます。
- 水洗いして粉塵を落とした軽石を、水槽底面に均一に敷きます。
- 排水パイプの穴の高さと同じか少し下くらいまで敷くのが目安です。
- 均一に敷き詰めることで、後の水はけも均一になります。





軽石をしっかり洗うのって大事?



超大事。粉が残ると濁りや詰まりの原因になるから、ここは丁寧に!
4. 軽石の上に鉢底ネットを敷く
軽石の上に直接ソイルを乗せると、粒が落ち込み混ざってしまい、排水層が詰まる原因になります。それを防ぐために、軽石全体を覆うように鉢底ネットを敷きます。
- ネットは複数枚を重ねてもOKです。
- ケージの形に合わせてカットし、隙間がないように敷き詰めます。


5. ハイドロボールを薄く敷く
ネットの上に薄くハイドロボールを敷きます。これは軽量で通気性が良く、さらにソイルの落ち込みを防止するクッション層になります。
- 厚さは1〜2cm程度で十分です。
- 均一に広げておくとソイル層が安定します。





クッション層って、歩き心地にも影響ある?



主役は上のソイルだけど、下が安定してると崩れにくくて暮らしやすいんだよ。
6. ソイルを必要な高さまで敷く
最後に、植物育成やレイアウトに必要な高さまでソイルを敷きます。ソイルの量や高さは、後で植える植物や水場の深さに合わせて調整します。
- 前面を低く、奥を高くすると奥行き感が出ます。
- 水場部分を設ける場合は、その周辺だけソイルを減らしておくと水置き場所を確保できます。



これで“土台”は完成!ここまで丁寧に作ると、後の管理がグッと楽になるよ。



わーい!ふかふかの新居、楽しみ。次は草原づくりだね。
まとめ|これで土台完成
以上の工程で、グラステラリウム6045を使ったイモリウムの土台部分が完成しました。ポイントは以下の通りです。
- 排水パイプを設けて水抜きを簡単にする
- 軽石+ネット+ハイドロボールの三層構造で通気性と水はけを確保
- ソイルは必要量だけ敷いてコストを抑える
次の記事では、この土台の上に流木やコケ、植物を配置して、生体が快適に過ごせる環境を仕上げていきます。

