マダライモリ上陸!その後の管理と育成方法

幼生だったマダライモリがついに上陸の時期を迎えました。緑の体色が濃くなり、外鰓(エラ)が少しずつ小さくなってきたら、それは「そろそろ陸に上がるよ」という合図です。
上陸準備として、まずはサテライトからプラケースにお引越しです。この段階ではまだ完全な陸生ではないため、湿度と安全性を両立した環境が求められます。
プラケースのレイアウトと構成
用意するのは、小さめのプラケースと下記のような内容物です。
- 硬めの白マット(上陸用・乾燥エリア)
- アナカリスなどの水草(安全な水辺)
- 溶岩石(浮き上がり防止と乾燥エリア)
マットの厚みと同じくらいの水位にして、陸と水のバランスをとります。マットが浮きやすいので、溶岩石でしっかり抑えつつ、マダライモリが乾いた場所に逃げたい時に使えるようにもなっています。

えへへ、ちょっとくらい乾いたとこにいたいときもあるもんね〜



そうそう。マットも濡れっぱなしじゃなくて、ちゃんとドライな逃げ場があるのが大事。
また、水草のアナカリスはただの飾りではありません。万が一、再び水に入ってしまっても、すぐに掴まって浮かびやすいように配置しています。


上陸の兆候と見極め
サテライトやプラケースの中で、マダライモリが溶岩石などの乾いた場所に頻繁に乗るようになったら、本格的に「完全上陸」の合図です。
このタイミングで、いよいよ「クリアスライダー」に移行します。クリアスライダーは奥行きがしっかりしており、湿度保持にも優れているため、マダライモリの陸生生活にピッタリのアイテムです。


クリアスライダーでのレイアウト
もけログのやり方では、以下のようにセッティングします。






ポイント:“全体”を湿らせないこと!



え? 全部しっとりしてた方が良くないの?



一見そう思うけど、マダラちゃんたちは自分で快適な場所を探して移動する生き物やからな。選択肢が大事なんだよ!
水苔のある“湿度高めゾーン”、ソイルだけの“やや湿ったゾーン”、そして“乾燥ゾーン”。
このように環境にグラデーションをつけておくと、マダライモリ自身が自分の好みの湿度環境を選んで過ごせます。「常に全体が湿っていないとダメ!」という考えもありますが、筆者の経験上、選ばせてあげる方が自然に近く、調子も良さそうです。
水辺は不要?その理由とは
「水辺を作らないのは心配」という声もあるかもしれませんが、筆者の方針では水辺は不要と考えています。
- 入水している姿をほとんど見ない
- 万が一溺れると危険
- コオロギが水に落ちて溺れる可能性がある
その代わり、毎日1回、霧吹きで水苔ゾーンに水分を補給します。これで十分に水分供給できます。


給餌と餌の選び方
上陸後は、SSサイズのコオロギを与えます。コオロギはソイルの上をチョロチョロ動き、水苔にも潜ったりします。マダライモリも同様に動き回るため、自然な形で捕食してくれます。
筆者のやり方では、コオロギをかなり多めに投入するスタイルです。これには賛否があると思いますが、「食べたい時に食べられる環境」が良いと感じています。



もけログ ごはんは好きな時に食べたい派?



うん!動いてるの見るとついつい追いかけちゃう〜
トビムシ導入は筆者のこだわり
これは必須ではありませんが、筆者はトビムシを少量導入しています。理由は、マダライモリやコオロギのフンを自然に分解してくれるからです。特に水苔の下など、湿度がある場所ではよく繁殖します。
トビムシが活躍するおかげで、メンテナンス性も多少上がりますが、月1回程度はソイルと水苔をすべて交換してください。水苔をめくるとトビムシがびっしり…なんてこともありますが、それはそれで微生物の楽園です。
まとめ
- マダライモリが緑濃く・エラが縮んだら上陸準備
- サテライト → プラケース → クリアスライダーと段階的に移行
- 上陸後の環境は、湿度のグラデーションがカギ
- 水辺はあえて作らず、霧吹き管理で対応
- 給餌はSSサイズのコオロギで自然捕食スタイル
- トビムシ導入はお好みで(筆者のこだわり)
マダライモリにとって、「選べる環境」を用意してあげることで、ストレスを最小限に抑えた飼育ができると感じています。少し手間はかかるかもしれませんが、その分、元気な姿を見せてくれる喜びは格別ですよ。





