無事上陸!イエアメガエルの“幼少期ルームツアー”
上陸したてのイエアメガエルたち、ついに陸生活スタート。今日はうちの“幼少期セット”をそのまま紹介します。肩の力を抜いた管理で、まずは元気に食べて大きくなることが目標です。


セット全景:濾過マット+タプタプ水(流用ケース)
ケースの底は濾過マットを全面敷き、水はお腹が当たる程度のタプタプ。今回はコーナーに段差は置いていません。
このケースはホソバオキバゴケのストックケースを使い回ししており、排水パイプが付いたままなだけ。必要に応じてパイプの縁はスポンジやメッシュで軽くカバーしておくと安心です。
- 滑り止め:上陸直後の“ヨチヨチ期”でも着地が安定
- ウンチの可視化:水だけだと溶けて見失いがち→マット上なら即回収
- 掃除がラク:汚れたところだけ抜き取って洗える
管理メモ:天面は通気穴を多めにして蒸れ防止。水は毎日交換(カルキ抜き)。

使い回しケースでごめんね。成長したらちゃんとしたの組み上げるね。



朝の体操コースに排水パイプ登りで鍛えよっと。


給餌ステーション:白い“どっしり陶器”が主役
餌のコオロギは深めで重い陶器カップへ。
- ツルツル内壁で登れない
- 高さがあるのでジャンプ脱走が少ない
- 白い器=コオロギが見やすい(食べ残しチェックが超ラク)
幼体期はプラカップでも構いませんが、成長すると器を押してひっくり返すことがあるので、早めに重い陶器へ移行すると平和です。
残餌対策:動かない個体がいれば一旦回収→翌晩に再挑戦。



あの白い器でコオロギがよく見えるね。



“見える化”は管理の味方です。


1日の流れ(うちの例)
朝
- 水を半分〜全量交換(カルキ抜き)せっかくついてるので排水パイプからスポイトで。
- マットの汚れをピンセットで回収
- 通気をとってケージ内を軽く乾かす
夜(点灯・消灯の前後)
- コオロギを少量から。食いつきを見て追加
- 餌サイズは“目の間の幅以下”を基本に
- 幼体期は毎回カルシウムを薄化粧、週1でビタミンD3入り(やり過ぎはNG)
上陸〜幼少期のコツ
- 触りすぎない:観察メイン。写真は短時間で
- 湿度50–70%+通気:蒸れはトラブルの元
- 隠れ場は1~2か所:逃げ道があると落ち着く
- 温度26℃前後:夏は熱こもり対策、冬はヒーター+サーモ
- 脱走対策:フタの隙間ゼロ。角のよじ登りは得意



色々心配になって観察しすぎたり、動かないと触って確認したくなるね。



基本夜行性だから昼間はゆっくり眠らせて……
なぜ「Ca(カルシウム)」と「ビタミンD3」がイエアメに必要?
結論:骨づくりと筋肉・神経を守るため、そして室内飼育では自然に不足しやすいからです。
- 餌昆虫はCaが少なくリンが多い:コオロギやローチはCa:P比が悪く、そのままだと体は足りないカルシウムを骨から引き出す=代謝性骨疾患(MBD)の原因に。
→ プレーンCa(D3なし)を毎回“薄くまぶす”のが土台。 - D3はCa吸収のスイッチ:ビタミンD3がないと、与えたCaが腸から入りにくい。
→ D3入りCaを“少量・定期的”に。 - 夜行性×室内でD3不足になりやすい:D3は本来UVBで皮膚合成。室内・ガラス越しでは合成量が少ないため、弱めのUVB+サプリ、またはサプリ管理で補うのが現実的。
- Caは骨だけじゃない:心筋・骨格筋の収縮、神経伝達、雌の産卵期の卵殻形成などにも必須。
注意:D3の与えすぎは腎負担や軟部組織の石灰化リスク。“少量を続ける”が合言葉。
与え方の目安(うちの運用)
- 幼体:毎給餌でプレーンCa薄化粧。D3入りCaは週1回のみ。
- 成体:プレーンCaは軽め(または週2〜3回)。D3入りCa週1回+マルチビタミン週1回。
- ガットローディング:餌昆虫には野菜や専用フードで“中身”も強化。



たまに口のまわりが粉っぽい?



それがCaの化粧だよ。骨を丈夫にして、ジャンプ力モリモリ計画。



それなら今夜は“高跳び”の練習だね!


GEX EXOTERRA カルシウム PT1815 粉末カルシウム
爬虫類・両生類の健やかな成長に欠かせないカルシウム補助食品。
粉末タイプで餌にまぶして手軽に栄養補給が可能。骨格形成や健康維持に役立ちます。
「目の横の黒い線」が消えるまで
幼少期の目印として目の横の黒いラインを基準にしています。これが薄れて体格がしっかりしてきたら、レイアウトのグレードアップ&人工餌トレーニングへ。
人工餌への切り替えメモ
- 匂い移し:生餌に人工餌の粉を軽くまぶす
- 動かして見せる:ピンセットで“チョンチョン”
- ミックス期:最初は生:人工=3:1くらいから
- 反応が鈍い子:数日戻す→再挑戦。長期戦でOK



人工餌に乗れば、飼い主も栄養の管理が安心だね。



良いね。まずは匂いの合格ラインを出してね。


ありがちトラブルと即チェック
- 食べない:低温/サイズ不一致/環境変化。まず温度を測る→餌サイズを下げる
- 足元がぬめって転ぶ:水位が高すぎ or 滑り面が多い。マット追加で改善
- 水がすぐ汚れる:給餌直後は器外に飛び出した個体を一旦戻す/翌朝全換水
まとめ
- 濾過マット+タプタプ水:安全・清潔・“見える化”
- 白い深型の陶器カップ:餌管理と残餌チェックがラク
- 幼少期は静かに確実に食べさせる:まずは基礎体力づくり
- 黒い線が薄れたら人工餌トレ:焦らず、楽しみながら
このセットでまずは幼少期を完走。ぷっくりボディになったら、枝や観葉を増やして“ツリーフロッグらしさ”を育てていきます。成長の節目ごとにまたレポしますね。



